Glossary/用語集

Glossary/用語集

Learn English with TITANIC 映画『タイタニック』で学ぶ総合英語より

角山照彦 Simon Capper 初版発行2016年12月27日 ISBM978-4-7919-6024-8 出版 成美堂

碧洋のハートP43、アナスタシアP27、フロイト博士P35

The Heart of the Ocean/碧洋のハート

ラベットの説明によれば、碧洋のハートは、「かつてルイ16世が身に着けていた王冠の青と呼ばれる石で、1792年に消えてしまい、その後、ハート型にカットし直されたらしいが、現存するならばホープダイヤモンドよりも価値がある」となっています。残念ながら碧洋のハートがタイタニック号と共に沈んだという記録はありませんが、ホープダイヤモンドは実在する45.50カラットのブルーダイヤモンドで、現在ワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館の1つ、国立自然史博物館に所蔵されています。

ホープダイヤモンドはもともとインドで発掘されたものですが、ルイ14世が購入し、「王冠の青」や「フランスの青」と呼ばれていました。ルイ16世も所有していましたが、フランス革命の混乱の中、行方が分からなくなってしまいました。その後、1812年イギリスのダイヤモンド商ダニエル・エリアーソンが所有していたダイヤモンドが「王冠の青」から切り出されたものであることが確認されており、これが現在につながるホープダイヤモンドです。ちなみに、その名前は、その後1824年にこの宝石を所有することになったイギリスの銀行家ヘンリー・ホープ氏に因んでいます。

Anastasia/アナスタシア

ラベットの助手ボーディーンは電話をかけてきた老女ローズのことを信用しておらず、「なぜそんなことをするのか誰にもわからない。あのロシア人の娘アナスタシアみたいなものさ」(God only knows why, like that Russian babe, Anesthesia.)と言っていました。アナスタシアが一体誰のことを指すのかわかりましたか?

アナスタシアとは最後のロシア皇帝ニコライ2世の第4皇女のことであり、1917年の2月革命によって父ニコライ2世や家族と共にわずか17歳の若さで銃殺されました。しかし、その後、アナスタシアだけ密かに生き延びているという説が出回り、ミステリー仕立てで映画やテレビドラマにもなりました。その後、自らがアナスタシアだと名乗る女性(アンナ・アンダーソン)が現れ、ドイツでロシア王室遺産をめぐる訴訟を提起し、長年その真偽が裁判所で争われました。

結局、彼女の死後、虚言であったことが明らかになりましたが、ボーディーンはこの女性のような王族偽装者のことを指して、アナスタシアの例を挙げたのでしょう。

ただし、正しいアナスタシアの綴りはAnastasiaであるのに対し、ボーディーンはAnesthesia(麻酔)と言っています。発音が似ているので単に言い間違えただけなのか、それともジョークのつもりでわざとそう言ったのかははっきりしませんが、もしジョークなら日本語に訳すのがとても難しい箇所です。

Dr. Freud/フロイト博士

ローズのセリフに”Do you know of Dr. Freud, Mr. Ismay?” というのがありましたが、このフロイトは実在の人物であり、オーストリアの精神科医で精神分析の創始者とされるジークムント・フロイト(Sigmund Freud)のことを指しています。